Canal+、DStv Stream をアフリカ18カ国の Samsung テレビにプリインストール — 衛星の箱から「テレビの一等地」へ流通を移す
有料 TV の巨人が、視聴の入口をテレビのホーム画面へ移す。Canal+ は傘下 MultiChoice の配信アプリ DStv Stream を、6 月から サムスン のスマートテレビへ出荷時に組み込み、アフリカ 18 か国に広げる。衛星のデコーダーで築いた流通の堀を、世界最大のテレビメーカーが握る一等地へ預け替える動きだ。
配信・音楽各社の決算、加入者数、M&A、地域展開、事業バンドルを追うデスク。DTC 事業の収益性から音楽ビジネスの経営、新興市場の規模競争まで、配信ビジネスの「数字と再編」を扱う。
経営・戦略は、配信・音楽各社の決算、加入者数、M&A、地域展開、事業バンドルを追うデスク。DTC 事業の収益性から音楽ビジネスの経営、新興市場の規模競争まで、配信ビジネスの「数字と再編」を扱う。速報・翻訳ではなく、一次情報と二次報道を横断するメタアナリシス的アプローチで「業界の意思決定構造にどう作用するか」を主軸にします。
— Streaming Business Review 編集部 · 2026.05.25
有料 TV の巨人が、視聴の入口をテレビのホーム画面へ移す。Canal+ は傘下 MultiChoice の配信アプリ DStv Stream を、6 月から サムスン のスマートテレビへ出荷時に組み込み、アフリカ 18 か国に広げる。衛星のデコーダーで築いた流通の堀を、世界最大のテレビメーカーが握る一等地へ預け替える動きだ。
プレミアムなスポーツ放映権の調達コストは、一社で抱えるには重くなっている。韓国の JTBC は五輪と W杯の独占権に約 7,000 億ウォン(約 5 億ドル)を投じたが、再販と広告収入が伸びず、206 億ウォン(約 1,400 万ドル)の借入を返せずに法定管理を申請した。共同調達で支える地上波、配信権で伸びる CHZZK、無料を貫く KBS——同じ W杯への各社の対応は、重い権利をどう支えるかという一点に行き着く。
インド最大の配信が視聴画面を売り場に変える。AI が画面内の商品を即時に識別し、番組を離れずに買える。広告とサブスクに次ぐ第三の収益柱として、4.51 億の規模を購買トラフィックへ変換しにいく。
インドの FIFA ワールドカップ配信で、ZEE5 が加入者の反発を浴びている。ハイライトまで別パック課金、長い広告、AI 自動編集がゴールを落とす。スポーツ権利を集客の起爆剤にする一方で、過剰な課金設計が体験を削る構図が露わになった。
独連邦カルテル庁が6月12日、米当局が6月17日に統合を承認した。ベルテルスマンが約67%を握り、評価額は報道で約150億ドル。メジャー3社に次ぐ規模の音楽会社が、配信時代のカタログ交渉力を束ね直す。
Netflix がフランスで TF1 の無料地上波 5 チャンネルと配信サービス TF1+ を自社アプリに取り込んだ。放送局のリニアチャンネルを抱える初の事例で、かつて放送を出し抜いた配信が、今度は番組を束ねる側へ回る。追加料金なしの代わりに広告と権利は TF1 が握る。
Spotify がライブ・スタジオ・カバー・公式 MV をアーティストが直接アップできるベータを始めた。ロイヤリティ対象でチャート算入もあり得る。YouTube の音楽動画支配への攻めであると同時に、レーベルを介さない収益関係を慎重に試す一手でもある。
Netflix・Prime Video・Disney・WBD の APAC 幹部が、アジア作品を地域向けでなくグローバル展開の資産と位置づけた。背景には、世界最大の視聴規模を持ちながら 1 人あたり収益が米国の 20 分の 1 という「収益化の谷」がある。
2025 年末の世界の有料音楽サブスクは 9.2 億。成長は減速したが、純増の 7 割超を新興国が支える。首位は Spotify で揺るがない一方、YouTube Music が最速で伸び、上位の序列が崩れ始めた。
韓ドラの Viu と中ドラの iQIYI 国際版が、東南アジア 4 カ国で一つの定額に束なる。グローバル勢に押される地域ストリーマーが、競合を組んで価格敏感な市場の「規模」を共同で守りに行く。
ワーナーの配信 HBO Max が、ニュージーランドとベトナムで直販を開始し、アジア太平洋35市場超に到達した。東南アジア・ANZ の主要展開を完了する節目だ。ベトナムでは旧 HBO GO を畳んで自社直販へ移行する。番組を卸す立場から会員を直接抱える立場へ、CJ ENM の K コンテンツをてこに軸足を移す。
アマゾンの配信は、アジアで「もう一つの配信を足す」より「束ねる」方に賭ける。Prime Video は APOS 2026 で、成長軸を単一アプリ・単一課金の「エンタメハブ」に置くと表明した。自社作品に他社チャンネル・レンタル・追加サブスクを集約し、単独アプリで競う Netflix 型とは異なる解き方で、アジアの薄い収益を厚くしようとする。
売却協議が報じられた数日後、買い手は フォックス だと確定した。ニュースとスポーツ、無料配信の Tubi を持つメディア企業が、全アプリを等価に並べてきた Roku の「入口」を手にする。作り手が配信の入口を兼ねる垂直統合に、市場は株安で応えた。
生成 AI に楽曲を学習された音楽業界は、この一週間で『訴えるか組むか』の段階を越えた。WMG は利用を計測する企業を買い、音楽出版社は学習対価で原盤と並び、Google は規約を一括ライセンスと読み替えた。争点は『学習は合法か』から『計測と課金の配管を誰が握るか』へ移っている。
ストリーミングの「入口」を握る独立系が、初めて身売りの俎上に乗った。CTV 最大手の Roku は 1 億世帯の視聴データと広告基盤を持つが、メディア企業の傘下入りは全アプリを等価に並べる中立性と相反する。コンテンツ統合の次は、配信の入口をめぐる再編が焦点になる。
全 104 試合の権利を握りながら、DAZN は決勝も日本代表戦も無料で手放した。独占を避け「体験で選ばれる」ことに賭ける非独占戦略だ。ところが足元では、「月 980 円」と見える価格が実は年間契約だったとして謝罪に追い込まれた。広く開く理念は、課金の局面で試された。
縦型短尺の隆盛に、世界最大の SVOD が「完成品」ではなく UI で応える。Netflix は 7 月、日本と韓国でモバイルアプリを刷新し、縦型動画フィード「クリップ映像」を導入する。既存作品のハイライトを TikTok 型の動線に流し、すきま時間を本編視聴への入口に変える設計だ。短尺アプリに奪われた可処分時間を取り返す防衛戦でもある。
AI 学習の対価はレーベルの個別和解が先行し、作詞作曲側は置き去りだった。全米音楽出版社協会(NMPA) が Udio・KLAY と結んだ業界初の横断ライセンスは、学習対価で楽曲を原盤と同水準に扱わせる枠組みだ。訴訟と契約を並走させる音楽出版の二正面戦略が、配分構造を変えにいく。
WBD を買う権利は Paramount Skydance が勝ち取った。だが争いは終わっていない。Paramount の法務トップは「Netflix が規制当局を毒する焦土作戦を展開している」と司法省に書簡で訴え、Netflix は「ばかげている」と一蹴した。買収戦の第 2 ラウンドは、審査当局を巡る物語の奪い合いに移っている。
ストリーミングが旧譜を資産に変える「カタログ経済学」が、中華圏に上陸した。UMG の大中華圏部門が、小虎隊や姜育恒を擁した台湾レーベル開麗創意のカタログ録音権を取得。ドイツを抜いて世界 4 位に浮上した中国市場で、80 年代の青春の記憶が投資対象になり始めている。
音源配信の巨人が、ライブ動画とチケットで興行の世界に踏み込む。Spotify はフェスの生配信権を主催者と交渉する一方、超ファン向けチケット先行確保『Reserved』を Live Nation と組みこの夏ローンチする。広告収益減を補う一手だが、ライブ動画は YouTube が先行する最激戦区だ。
EC 大手が、配信を単体サービスとしてではなく会員特典の束として南アフリカに持ち込んだ。月 59 ランド——Prime Video に当日配送とクラウドゲームを同梱し、衛星放送 DStv が守ってきた家計の月額枠を狙う。新興市場で問われるのは、最良のコンテンツより「最初に引き落とされる一枠」だ。
Canal+ が主上場のロンドンを保ったまま、フランス企業として初めて JSE に二次上場した。新株は出さない。MultiChoice 買収に伴う約束を果たしつつ、成長の軸足をアフリカへ移す布石である。
FIFA が自前の無料配信 FIFA+ を DAZN 上で再構築した。年約 8,500 試合を無料で束ねる入口を作り、同じ DAZN が握る W 杯の有料独占権へ観客を流す。スポーツ配信の集約点を巡る一手だ。
係争中の UMG・Sony Music と対照的に、和解済みの Warner Music Group と組む。Suno は訴訟の被告から、レーベルと組むライセンシーへ立ち位置を移しつつある。
644 億ドルの買収提案を断った UMG が、わずか6日後に アックマン の保有株を買い戻した。Pershing Square は全保有を処分して完全撤退。拒否から撤退へ、自社株買いが出口になった。
Digital i の計測で、YouTube の 1 アカウント当たり 1 日視聴が 99.1 分に伸び、93.4 分に落ちた Netflix を上回った。だが Netflix は YouTube 上で最も到達するチャンネルでもある。
Amazon Music がインドで有料の Unlimited を単独投入し、3 層に再編した。Prime 会員の同梱音楽は 7 月 2 日から広告付き・オフライン再生不可になる。同梱特典を薄くし、月 99 ルピーの上位層へ誘導する設計だ。
ドイツの Bundeskartellamt(連邦カルテル庁)が、Banijay と All3Media の独制作事業の合弁を承認した。第三者向けTV制作で国内最大の供給者が生まれるが、当局は買い手である放送局が自前で作れる点を重視した。制作の規模統合を進める世界的な流れと、それでも主導権が買い手側に残る構図が同時に表れている。
インド最大の配信 JioHotstar が、生成 AI 専門部門を立ち上げ 75 以上の職を採用する。脚本・作画・吹替・編集まで AI で内製し、制作を従来比 3〜5 倍速で回す構想だ。AI を支援ツールでなく制作ラインそのものに据える。
Netflix の長編アニメ内製部門が初の労働協約を批准した。制作補助職の最低賃率は業界の労組協定で最高水準。配信大手の内製スタジオが、ハリウッド型の労使ルールへ組み込まれていく。
配信が放送を金額でも追い抜いた。Omdia によれば2025年、オンライン動画の収益が初めてペイTVを上回り、契約数は世界で22.4億に達した。だが伸びを支えたのは低価格の広告ティアで、2026年の成長は5.6%へ急減速すると見込む。
欧州の放送大手が、国内連合でグローバル配信に挑む。RTL Group は Sky Deutschland の買収を6月1日に完了し、独語圏で約1,230万の有料会員を束ねる最大の集約役となった。汎欧州ではなく国単位で束ねる選択が鮮明になる。
音楽出版大手 Downtown Music が、故ビズ・マーキーの楽曲と NIL(名前・肖像・声を使う権利)をまとめて管理する。出版・音源・NIL・体験事業を一つの窓口で一体運用する設計だ。だが管理元の親会社は、この 2 月に UMG 傘下のヴァージン・ミュージックが買収した企業。独立系の外見で、メジャーが死後の権利を集約する構図が透ける。
LG Uplus が単独型ストリーミング「U+ Mobile TV」を 5 月末で畳む。SK Telecom の Oksusu、KT の Seezn に続く撤退で、韓国通信 3 社の自前 OTT はすべて姿を消した。赤字の単独配信を捨て、利幅の読める IPTV へ回帰する通信会社の最終章である。
世界最大の音楽企業 UMG が、644 億ドルの買収提案を全会一致で断った。物言う投資家アックマンの狙いは、上場の場を欧州から米国へ移し、欧州ゆえの株価の割安を解消することにあった。だが筆頭株主ボロレが「価格が見合わない」と一蹴。音楽メジャーの価値を巡る資本市場の攻防が表面化した。
Weverse が黒字転換の節目で、カカオ出身のテック畑経営者を社長に据えた。アーティストの所属に依存しない有料会員・メッセージングの「デジタル事業」を伸ばし、超ファン市場で Spotify や欧米メジャーと向き合う布陣を敷く。
Prasar Bharati の OTT「WAVES」が、実視聴分数に連動した報酬でクリエイターと縦型ショートドラマを募り始めた。固定委託料から視聴連動へ。公共放送がクリエイターエコノミーの作法を制度として取り込む。
インド最大の通信事業者が、月 200 ルピーの追加パックで 15 の配信アプリと 30GB のデータを束ねた。乱立する OTT を回線契約の上で一括化し、配信の流通と課金の入口を通信が握る動きが鮮明になる。
韓国の有料放送加入者が 2025 年下期に 3,615 万件へ縮んだ。半期ベースで 4 期続けての純減で、唯一伸びる IPTV も増加率が 1% を割った。動画配信への乗り換えが土台を削り、通信各社は利幅の厚い IPTV へ退避する構図が鮮明になっている。
中国の短尺動画大手の屋台骨が入れ替わりつつある。投げ銭頼みのライブ配信が二桁減る一方、動画生成 AI「可霊」が前年比 3 倍超で立ち上がり、AI 漫剧(マンガ風ショートドラマ)が新たな広告出稿先になった。増収はわずか 3.4%、調整後利益は減益という移行期の通信簿である。
国内最大級の配信会社が、アニメスタジオそのものを抱える。U-NEXT は GoHands を完全子会社化し、自社 IP の制作から配信までを一手に握る体制へ動いた。出資やライセンスで「買って」きた配信会社が、初めて制作を「持つ」側に回る。
公共放送が広告モデルとの建付けに折り合いをつけ、過去 IP をグローバル SVOD に開放する。Netflix は民放主要局に NHK ドラマを加え、日本テレビ番組のアグリゲーターとしての位置を固めた。
Catchplay が SLL・CJ ENM ら韓国勢と組み、高級縦型 K ドラマを台湾・インドネシア・シンガポールへ展開する。完成品の本数売りに偏ってきた K コンテンツ輸出に、低コストで増産できる縦型フォーマットという新しい収益線を加える試みだ。配信は台湾の有料 TV や車載まで束ねる。
ライブ配信の伸び鈍化に直面する 快手 が、稼ぎ頭を広告と AI へ移している。微短劇には収益分配・現金・専属トラフィックで約 20 億元を投じ「精品化」を促し、動画生成 AI の 可霊 は収入を前年比 4 倍超 (+300% 超) に伸ばした。コンテンツ供給とツールの両輪で広告在庫を厚くする戦略が見える。
STARZ を分離したライオンズゲートが、自社配信を持たない純粋スタジオとして 12 年来の高採算を記録した。『The Housemaid』は世界興収約 4 億ドル、STARZ 史上最高の Pay One タイトルに。ライブラリと劇場→PVOD→Pay One のウィンドウ戦略が、配信時代のスタジオの稼ぎ方を示す。
NetEase Cloud Music の四半期収入は前年比 6.6% 増の 19.81 億元にとどまり、粗利率は 37% で横ばい。上位会員プランを軸に単価を引き上げる Tencent Music が先行するとされる市場の中で、ゲームが収入の 84% を占める親会社 NetEase の中では、音楽は「+6.6% の非中核セグメント」として扱われる構図が鮮明になった。
BTS の新譜が初日 398 万枚を売る記録更新のさなか、HYBE は自社の物理アルバム流通を、競合 YG が筆頭株主を務める YG PLUS に委ね続ける。フィジカルが K-POP 収益化の核であり続けるなか、契約・出資で結ばれたライバルが流通の上流では協業者になる構図を読む。
中国の長尺配信は「コンテンツは強いが利益は出ない」という同じ壁にもう一社ぶつかった。芒果超媒 の Q1 売上はバラエティの厚い堀で増収を保ったが、純利益は信用減損の急増と粗利率低下に AI・海外投資が重なって半減した。
中国 SVOD の iQIYI は、長編ドラマ需要の減速で売上が 13% 減り営業赤字に転落した。一方で AI 生成のマイクロドラマを四半期 3,000 本超投入し、海外会員収益は東南アジアで 40% 超伸びた。本業の成熟と、短編・海外への事業ピボットが同時に進む四半期である。
中国 SVOD の iQIYI が、国内長編の縮小を海外会員と資本市場で埋めにかかる。香港メインボードへの上場を申請し、初の自社株買いに踏み切った。一方で海外会員収益はブラジル・メキシコで 2 倍超に伸び、赤字四半期の数少ない成長点となった。
完成品の独占購入からスタジオとの共同開発へ。Netflix は全権利を抱えず「メディアミックスのプロ」と組む方向へ軸足を移し、配信先行→劇場の逆ウィンドウで 20 億円ヒットを生んだ『超かぐや姫!』が新モデルの実証例となった。
JYP の 1〜3 月期は、新譜が乏しいなかでツアー連動グッズが売上を牽引した。MD 売上は前年比 85.2% 増。営業益は 7 割伸びた一方、純益は半減したが、これは前年同期に計上した DearU 株一部売却益の反動という一過性要因である。K-POP の収益源が音盤からモノとライブへ移る構図がはっきり出た四半期だ。
インドの JioHotstar が FY26 に MAU 5 億・同時接続 7,250 万を記録し、加入者規模では世界最大級に並んだ。だが ARPU では欧米勢に遠く及ばず、Netflix が直面するのと同じ「規模とマネタイズの非対称」が鮮明になる。日本の事業者にとっての示唆を読む。
Netflix が 10 年で 1,350 億ドルを投じ 3,250 億ドルの経済価値を生んだとする報告書を公開した。韓国では 1 作の話題作が経済に 900 億ウォン貢献し視聴者の 72% が訪韓意向を示したと謳う。数値の出所は同社自身で第三者検証はない。規制と世論に向けた正当化文書として読む。
中国最大の音楽配信が、ライブ配信(社交娯楽)の縮小を音楽サブスクと上位課金で吸収した。総収入は微増にとどまる一方、音楽関連は二桁成長。会員数や課金単価の開示を止め、上位プラン「SVIP」を軸に客単価を引き上げる戦略の持続性が次の論点となる。
プラットフォームが、量産しやすい AI 短劇ではなく実写を資本と分配で守りにいく。Douyin は保底支援を増額し IAP 分账を 80% へ、頭部 1 作に最高 150 万元、続編に最大 +20% を上乗せする。無料 AVOD Hongguo が需要の主導権を握るなかでの、創作者経済の再設計である。
WEBTOON Entertainment の 2026 年第 1 四半期は、コスト削減で調整後 EBITDA を前年比 132% 増やし純損失をほぼ半減させた。だが売上高は 3 億 2,090 万ドルと 1.5% 減り、IP 映像化収益は 22.8% 落ちた。利益改善と売上停滞が同居する四半期である。
稼げないのは制作費が安いからではない。費用の 8 割超が 微短劇 の集客広告に消え、脚本には 1.5% しか回らない。コンテンツでなく集客が原価の中心という構造を、2026 年の iQIYI らによる分账改革と合わせて読む。
ソニーグループの 2026 年 3 月期は売上 12.48 兆円(+3.7%)、営業益 1.45 兆円(+13.4%)。金融事業のスピンオフでエンタメ・半導体に経営資源を集中し、ゲーム・音楽が利益を牽引、自社株買い枠 5,000 億円も設定した。配信の収益エンジン化が進む。
YG Entertainment の 1 月〜3 月期は売上が 5 割近く伸び、営業利益はほぼ倍増した。原動力は BLACKPINK の 2 月カムバックだが、利益の押し上げには BABYMONSTER と TREASURE の物販が効いた。投資先行で純利益は微減し、復帰後の活動の谷をどう埋めるかが問われる。
売上は前年同期比 16.8% 増の 1.33 兆ウォンに伸びたのに、営業利益はわずか 15 億ウォン。TVING は加入者 37.3% 増・広告 35.3% 増でも約 192 億ウォンの営業赤字を出し、テレビ広告は 20.7% 減と 5 四半期連続のマイナス。証券各社は翌日から目標株価を引き下げた。韓国 OTT が抱える「成長しても黒字に届かない」構造が露わになった決算である。
ディズニーの 2026 会計年度第 2 四半期で、Disney+/Hulu の営業利益が前年比 88% 増の 5.82 億ドル、営業利益率は 10.6% と初めて二桁に乗った。会員数の開示をやめた同社は、配信を『黒字化フェーズ』から『マージン拡大フェーズ』へと位置づけ直している。
SM Entertainment の 1〜3 月期は連結売上 2,791 億ウォン、本体ベースでコンサートが前年比 56% 増、グッズ・ライセンスが 20% 増。録音原盤のストリーミング利幅が薄くなるなか、ライブと物販でファン一人当たりの単価を直接稼ぐ K-POP 各社の体質転換が、決算の数字としてはっきり表れた四半期となった。
Warner Bros. Discovery の Q1 は、Paramount Skydance による買収に伴う Netflix への違約金 28 億ドルが響き純損失 29 億ドルとなった。だが会計上の巨額損失とは裏腹に、ストリーミングの調整後 EBITDA は拡大し、加入者は 1.4 億を超えた。会計と事業実体の乖離が際立つ四半期である。
Coupang の Q1 2026 決算で、Coupang Play を含む「育成中事業」セグメントは売上 28% 増の一方、調整後 EBITDA 損失が 1.6 億ドル拡大した。配信を小売の利益で補填する建付けは、TVING・Wavve のような単体採算とは別物だ。本稿はその差分と持続性を読む。
海外ショートドラマアプリ DramaWave と FreeReels が利用者数で首位に立ち、月間流水は 4,800 万ドルを超えた。だが集客費の急増で、四半期は 8.87 億元の最終赤字を計上した。トップラインが伸びても単位経済が成立しない、微短劇の構造問題が決算に表れた。
David Ellison 体制となった Paramount Skydance の初決算で、Paramount+ を含む DTC が黒字化した。売上は微増ながら ARPU 主導で配信が伸び、通年見通しを据え置き。進行中の Warner Bros. Discovery 買収を支えるキャッシュ創出力を実績で示した。
プラットフォームが制作の上流から精算までを取り込み始めた。Douyin は脚本投稿・案件マッチング・分账を一つの窓口に束ね、無料 AVOD の Hongguo とは別経路でクリエイターを囲い込む。「保底」廃止後の収益不安を、透明化と巨額の補助で埋めにいく構図だ。
HYBE の 1〜3 月期売上は前年比 39.5% 増の過去最高となった一方、営業損益は赤字に転落した。BTS 復帰で配信・レコード音楽は急伸したが、会長による従業員向け株式付与の一時費用と人件費膨張が利益を食う。Weverse の月間利用者は 1,337 万人へ。スーパーファン基盤への投資が利益に先行する構図が鮮明になった。
世界最大の音楽企業 UMG が、配信プラットフォーム Spotify の保有株半分(約 14 億ドル相当)を売却し自社株買いに回す。値上げ主導の「Streaming 2.0」が増収に効き始める一方、権利者がプラットフォーム株を手放す資本配分の転換が鮮明になった。