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YG、2026 年 1Q は営業益ほぼ倍増 — BLACKPINK 復帰が牽引、若手 IP が次の谷を埋める

YG Entertainment の 1 月〜3 月期は売上が 5 割近く伸び、営業利益はほぼ倍増した。原動力は BLACKPINK の 2 月カムバックだが、利益の押し上げには BABYMONSTER と TREASURE の物販が効いた。投資先行で純利益は微減し、復帰後の活動の谷をどう埋めるかが問われる。

TL;DR — 3 行で読む
  • YG Entertainment の 2026 年 1Q は売上約 1,471 億ウォン(前年同期比 +46.9%)、営業利益が前年からほぼ倍増し、BLACKPINK の 2 月カムバックが業績を牽引した
  • 利益の押し上げには BABYMONSTER・TREASURE の物販と版権拡大が寄与し、若手 IP が収益基盤に組み込まれ始めた一方、開発投資の先行で純利益は微減した
  • 同期に SM Entertainment は営業益 +18.5% と着実に伸び、最大手 HYBE との規模差はなお大きく、YG は BLACKPINK 復帰後の活動の谷を若手で埋められるかが次の論点となる

概要

韓国の大手芸能事務所 YG Entertainment(ワイジー・エンターテインメント)の業績が、急回復した。2026 年 5 月 8 日に開示された 1 月〜3 月期(第 1 四半期)の連結売上は約 1,471 億ウォン(前年同期比 +46.9%)で、営業利益はほぼ倍増した。

最大の牽引役は、看板グループ BLACKPINK(ブラックピンク)の復帰である。2 月にミニアルバムを出し、初週で 177 万枚超を売り上げ、ワールドツアーも始動した。だが利益面で効いたのは別の要素だった。デビュー間もない後輩グループ BABYMONSTER(ベイビーモンスター)と TREASURE(トレジャー)の物販(MD=グッズ販売)と版権収入の拡大が、営業益の倍増を支えた格好だ。

一方で、純利益は前年から微減した。新人開発と新規 IP(知的財産=アーティストやコンテンツの権利)への投資が先行したためである。売上と営業益が大きく伸びる中での純益の足踏みは、YG が「稼ぐ」と同時に「次に備えて使う」局面にあることを示す。

経緯

YG は 2024 年に営業赤字(連結で約 206 億ウォンの営業損失)へ沈んだ。BLACKPINK の活動休止期と重なり、高採算のツアー・版権収入が細ったためだ。そこから 2025 年通期は、事務所の IR 開示(連結)で売上約 5,454 億ウォンと黒字基調に戻していた(通期営業利益の確定値は集計元により幅があるため、ここでは売上規模のみを示す)。

今回の 1Q は、その回復軌道の延長線にある。前年同期(2025 年 1Q)の連結売上が約 1,002 億ウォンだったのに対し、今期は約 1,471 億ウォンへ伸びた。営業益は前年同期比でほぼ倍増し、四半期ベースで 200 億ウォン弱の水準まで戻している。

注意したいのは、利益の「質」だ。事務所側の開示は、BLACKPINK のアルバム・ツアーが売上を牽引したと明言しつつ、営業益の押し上げ要因として BABYMONSTER・TREASURE の MD と版権拡大を挙げている。つまり今期は、看板の復帰という一過性の山と、若手の積み上げという継続的な土台が、たまたま同じ四半期に重なった。

会社は先のスケジュールも示した。BABYMONSTER は 6 月に 2 度目のワールドツアーを開始し、TREASURE は 6 月の新譜とソロ・ユニット活動を予定する。さらに 9 月には新人ボーイグループのデビューを控える。新人投資が純益を圧迫したのは、この布陣を整えるための前払いという位置づけになる。

構造解釈:看板の「山」を若手で「平す」ポートフォリオ移行

YG の今期が映すのは、特定スターへの依存から、複数 IP の積み上げへ重心を移す「ポートフォリオ移行」である。K-POP 事務所の収益は、看板グループのカムバックとツアーに大きく振れる。BLACKPINK のような世界規模のグループが動けば四半期は跳ね、休めば沈む。2024 年の営業赤字は、その振れ幅の下側を見せた典型だった。

だが今期の中身は、その構図がやや変わりつつあることを示す。売上の山は確かに BLACKPINK が作った。しかし営業益の倍増を底支えしたのは、後輩グループの物販と版権という、看板の活動サイクルから相対的に独立した収入だった。たとえば BABYMONSTER は前年のデビュー以降、アルバム販売や海外チャートで存在感を高めており、ツアーや MD が回り始めれば、看板が休む四半期でも一定の売上を生む。

ここで純利益の微減を、単なる「未達」と読むのは早い。新人開発と新規 IP への投資は、将来の谷を浅くするための支出である。看板一本足だと、復帰の年は跳ねても翌年は反動で沈む。複数の若手が時間差で稼げる体制を作れれば、四半期ごとの上下動はならされる。今期の純益の足踏みは、その「平準化」への先行投資と整理できる。

示唆:BLACKPINK 復帰後の「谷」を埋められるか

YG の回復は本物だが、BLACKPINK の復帰という一過性の山が終わった後に谷が来る。その谷を BABYMONSTER や TREASURE ら若手 IP の積み上げで埋められるか、つまり看板一本足から複数 IP のポートフォリオへ移れるかが、次の試金石になる。規模ではなお HYBESM Entertainment と開きがあり、若手で土台を厚くできるかが 4 社の中での持続的な立ち位置を決める。

WATCHLIST — 次に追う 3 つ
  1. BLACKPINK のツアー収益が実際に計上される今後の四半期で、営業利益率がどこまで伸びるか。復帰の山の高さと、その後の谷の深さの両方を見たい
  2. 若手 IP の収益化のタイミング。BABYMONSTER の 2 度目のツアーと TREASURE の新譜が物販中心の貢献から本格的な利益貢献へ移れるか。看板が休む四半期の売上をどれだけ底上げできるか
  3. 同業との相対的な位置。SM Entertainment・最大手 HYBE・高利益率の JYP Entertainment と比べ規模はなお小さく、看板の山に頼らず若手で土台を厚くできるかが 4 社の中での持続的な立ち位置を決める

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