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広く開き、課金で攻める — W杯全試合の配信権を握る DAZN の非独占戦略と「月 980 円」表記の綻び
全 104 試合の権利を握りながら、DAZN は決勝も日本代表戦も無料で手放した。独占を避け「体験で選ばれる」ことに賭ける非独占戦略だ。ところが足元では、「月 980 円」と見える価格が実は年間契約だったとして謝罪に追い込まれた。広く開く理念は、課金の局面で試された。
全 104 試合の配信権を握るDAZNは、北中米ワールドカップの決勝や日本代表戦を無料開放した。NHKなど地上波と共存する「非独占」戦略で、日本法人の笹本裕 CEO は独占を放映権料インフレの元凶とみて退けた。
- 無料開放は日本代表戦に加え決勝・準決勝・3 位決定戦にも及ぶ。NHKは生中継 34 試合、DAZNはグループステージ 39 試合を独占配信した
- 放映権料は非公表だが、朝日新聞は日本向け全体で 300〜350 億円(地上波との合計)と報道。DAZN の拠出は半分程度とされ、交渉は代理店の電通がFIFAと担った
- 新規向け年間プラン「DAZN Soccer」(月額換算 2,600 円・年総額 31,200 円)の「月 980 円」プロモ表記が、5 月 30 日〜6 月 11 日午後 8 時の期間、月額プランと誤認させる内容だったとして DAZN が謝罪した
- 対象期間の加入者には、解約希望者へ返金、継続希望者へ月額「DAZN Standard」(キャンペーン 1,980 円・3 カ月後は通常 4,200 円)への変更を案内する
- 同時期の大型スポーツ配信は独占が主流で、2026 年 3 月の WBC はNetflixが地上波なしで独占、プレミアリーグ全試合はU-NEXTが独占配信する
編集部の視点
DAZN は全試合を確保しながら地上波との非独占を選び、権利費の負担を分けつつ、自社だけの 39 試合で有料契約へ誘う設計にした。ところが年総額を伴う販促を月額のように見せれば、返金対応で獲得収入と信頼の両方を失う。非独占モデルの採算は権利費を抑えるだけでなく、無料視聴者を誤解なく継続課金へ移せるかに左右される。
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