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iQIYI Q1、長編 SVOD が赤字転落 — AI マイクロドラマ 3,000 本と海外で活路を探す

中国 SVOD の iQIYI は、長編ドラマ需要の減速で売上が 13% 減り営業赤字に転落した。一方で AI 生成のマイクロドラマを四半期 3,000 本超投入し、海外会員収益は東南アジアで 40% 超伸びた。本業の成熟と、短編・海外への事業ピボットが同時に進む四半期である。

TL;DR — 3 行で読む
  • 愛奇芸 の Q1 2026 は総収益 RMB6.23B(-13%)。会員 -5%・広告 -7% と本業が縮み、営業益 RMB341.9M から営業損失 RMB228.4M へ転落
  • 四半期に AI 生成マイクロドラマを 3,000 本超投入し、2026 年は短編ドラマ 100 本超を計画。短編は制作期間・資本・AI 統合の面で有利
  • 海外会員収益は過去最高で東南アジア +40% 超(インドネシア +80%、ブラジル・メキシコ +100% 超)。iQIYI は長編成熟の中で短編・海外に活路を探す

概要

中国の大手 SVOD(定額制動画配信)、愛奇芸 は 5 月 18 日、2026 年第 1 四半期決算を発表した。総収益は前年同期比 13% 減の RMB6.23B($902.5M)。収益の二本柱がともに縮み、営業損益は黒字から赤字へ転落した。主な数字は次のとおり。

  • 会員サービス収益: RMB4.20B(-5%。コンテンツ供給の薄さが主因)
  • 広告収益: RMB1.24B(-7%。マクロ環境で広告主が出稿を調整)
  • 営業損益: 前年の営業益 RMB341.9M から営業損失 RMB228.4M へ
  • 純損益: 純損失 RMB294.6M

縮む本業の裏で、事業の組み替えが進む。iQIYI は四半期に AI 生成のマイクロドラマ(短編)を 3,000 本超投入し、2026 年には短編ドラマを 100 本超計画する。海外事業は好調で、会員収益が過去最高に達した。東南アジアで +40% 超、インドネシアで +80%、ブラジル・メキシコでそれぞれ +100% 超と伸びた。

経緯

中国の長編 SVOD は、巨額の制作費をかけた話題作で会員を集めるモデルで成長してきた。だが市場が成熟し、コンテンツの当たり外れが会員と広告の双方を大きく振れさせるようになった。今期の減収・赤字は、前年に比べてコンテンツのラインアップが薄かったことが大きい。長編一本足の構造的な脆さが表面化した格好だ。

そこで iQIYI が賭けるのが短編(マイクロドラマ)と海外である。短編は制作期間が短く、資本の壁が低く、AI 統合と相性がよい。全体のコンテンツコストを増やさずに本数と頻度を稼げる。海外は中国国内の規制・成熟を離れ、東南アジアや中南米という伸びしろの大きい市場で会員を積める。赤字を許容してでも、この二正面に資源を振り向けている。

構造解釈:長編の成熟と『短編×海外』への事業ピボット

iQIYI の決算が示すのは、中国 SVOD が「長編大作で会員を集める」成長モデルの限界に直面し、「短編(AI 量産)×海外」へピボットしている構図である。長編はヒット依存で振れが大きく、制作費も重い。これに対し、AI で量産するマイクロドラマは、低コストで本数を増やし視聴の頻度を上げられる。短い尺はモバイル視聴と相性がよく、広告やマイクロ課金とも結びつきやすい。

海外展開は、国内市場の成熟と規制を回避しつつ成長を取り戻す手段だ。東南アジアや中南米は、所得の上昇とスマホ普及で配信需要が伸びている。iQIYI は中国語コンテンツとローカル制作を武器に、これらの市場で会員を積む。赤字決算のなかでこの二つに投資を続けるのは、長編単独の成熟を、短編と海外という別の成長エンジンで置き換えようとしているからだ。マイクロドラマは、視聴の合間に短く消費される性質上、テレビ的な長編とは異なる視聴習慣を作る。中国の配信は、ハリウッド型の大作主義から、モバイル時代に最適化された短尺・量産・低コストのモデルへと、コンテンツの設計思想そのものを変えつつある。これは世界の配信が AI 制作とどう向き合うかの先行事例にもなる。

示唆:中国 SVOD の『次の成長エンジン』

iQIYI の Q1 は、長編 SVOD の成熟と、短編・海外という代替成長への事業ピボットを同時に映した。赤字を許容してまで方向転換する点に、市場成熟の深さが表れている。長編で築いた制作力とブランドを、短編と海外という新しい器にどう移し替えるかが、今後の成否を分ける。

WATCHLIST — 次に追う 3 つ
  1. AI マイクロドラマが会員・広告・マイクロ課金のどの形で収益化し、長編の減速をどこまで補えるか
  2. 海外会員収益(東南アジア・中南米)の高成長が、規模として国内の縮小を相殺できるか
  3. AI を使った短編量産が、コンテンツコストを抑えつつ視聴の質と頻度を保てるか

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