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網易雲音楽、四半期収入 19.81 億元で頭打ち — 親会社ゲーム 84% の陰で「+6.6% の非中核」に

NetEase Cloud Music の四半期収入は前年比 6.6% 増の 19.81 億元にとどまり、粗利率は 37% で横ばい。上位会員プランを軸に単価を引き上げる Tencent Music が先行するとされる市場の中で、ゲームが収入の 84% を占める親会社 NetEase の中では、音楽は「+6.6% の非中核セグメント」として扱われる構図が鮮明になった。

TL;DR — 3 行で読む
  • NetEase Cloud Music の 2026 年第 1 四半期収入は前年比 6.6% 増の 19.81 億元、粗利率は 37% で横ばい——成長は一桁台へ減速した
  • 上位会員プランで単価を引き上げる戦略をとるとされる Tencent Music とは、収益の作り方の方向性が分かれている
  • ゲームが収入の 84% を占める親会社 NetEase の中で、音楽は「+6.6% の非中核」へ位置づけが後退した

概要

中国の音楽配信で 2 番手につける NetEase Cloud Music(網易雲音楽) の成長が、一桁台で足踏みに入った。親会社 NetEase(網易) が 5 月 21 日に発表した 2026 年第 1 四半期決算によれば、雲音楽の純収入は前年同期比 6.6% 増の 19.81 億元(約 2.87 億ドル)。中国の財華社(finet、香港の金融情報メディア)が伝えた粗利益は 7.34 億元で、前年から 7.55% 増にとどまった。純収入比では粗利率は約 37% にあたる。

ここで言う粗利率とは、収入から原価(ライセンス料・配信コスト等)を引いた利益の割合を指す。雲音楽の 37% は、前年同期から大きく動いていない。収入が一桁成長へ減速し、利益率も横ばい——つまり「規模も採算も次の段に上がりきらない」状態が、この四半期の輪郭である。

経緯

雲音楽はもともと、独立系アーティストと内製音源を軸に有料会員を伸ばしてきた。だが伸び方の質は、ここ数四半期で変わってきている。音楽業界専門メディア Music Business Worldwide(音楽ビジネス・ワールドワイド、英国の業界紙)によれば、2025 年上半期は二桁成長を保っていた。会員課金収入は前年比 15.2% 増の 24.7 億元、音楽サービス収入も 15.9% 増の 29.7 億元である。一方で同社は、会員 1 人あたりの平均収入(ARPPU、有料ユーザー 1 人が生む平均売上)が会員構成の変化で低下し、利用者数の拡大分を一部相殺したと指摘していた。

その「数は増えるが単価は下がる」傾向が、四半期収入の伸びが一桁へ落ちた今期の数字に重なって見える。会員数を積み増しても、低価格帯への移行で 1 人あたりの収入が薄まれば、収入の伸びは鈍る。雲音楽は香港上場(証券コード 09899.HK)の独立採算企業だが、決算は親会社 NetEase の四半期開示の一区分として扱われ、加入者数などの細目は今回まとめて開示されていない。

構造解釈:ゲーム会社の中の「+6.6% の脇役」

今期の数字がいちばん雄弁に語るのは、NetEase というグループの中で音楽がどう位置づけられているか、である。NetEase 全体の純収入は 306 億元(前年比 6.1% 増)。このうちゲームおよび関連付加価値サービスが 257 億元(同 6.9% 増)で、全体の実に 84% を占める。

この構図の中では、19.81 億元・6.6% 増の音楽は、グループ収入の 6% 強を担うにすぎない。NetEase の開示でも、雲音楽は「Youdao(教育)」や「革新事業その他」と並ぶセグメントの一つとして、収入と粗利率が淡々と記載される位置にある。事業として赤字ではなく、むしろ採算は安定している。だが「+6.6% の非中核」という扱いは、ゲームの巨大なキャッシュフローを前提にしたグループ戦略の中で、音楽が成長エンジンではなく「黒字で回る脇役」へと収まりつつあることを示す。

ここで効いてくるのが、ライバルとの対比だ。同じ中国の音楽配信最大手 Tencent Music(テンセント・ミュージック) は、上位会員プラン「SVIP(スーパー VIP)」——通常会員より高い月額で、高音質や限定特典を束ねた上位課金層——を軸に、1 人あたり単価を引き上げる戦略をとると一般に伝えられる。仮にテンセントが「単価を上げて稼ぐ」モデルで先行しているのだとすれば、両社は同じ市場で逆方向の力学に置かれていることになる。「数を増やすが単価は薄まる」構図にある雲音楽の頭打ちは、その対比のなかでいっそう際立つ。なお本稿が依拠する 4 件のソースはいずれも NetEase/雲音楽の今期決算に関するもので、テンセントの単価戦略や成長率を直接裏づけるものではない点は断っておく。

示唆:単価の壁をどう越えるか

雲音楽にとっての論点は、加入者数の多寡ではなく「1 人あたりをどう厚くするか」に移っている。テンセントが SVIP で進めているとされる上位課金の積み上げを、雲音楽が独立系・内製音源という自社の強みのまま再現できるかが、次の成長段の分かれ目になる。

WATCHLIST — 次に追う 3 つ
  1. ARPPU の底打ち時期。会員構成の変化による単価低下が続くのか、上位プランやライブ配信などの追加課金で反転するのかが、収入の伸びを一桁から戻せるかを左右する
  2. 親会社 NetEase の資本配分の向き。ゲームが 84% を稼ぐ構造が続く限り、音楽への投資判断は「黒字で回るか」が基準になりやすく、優先度が下がれば頭打ちが常態化しかねない
  3. Tencent Music との差がさらに開くか縮まるか。SVIP 型の単価引き上げが中国市場の標準になれば、それを採らない雲音楽は構造的に見劣りしかねない

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