規制・法務 · Regulation & Compliance

音楽家組合が UMG・WMG を提訴 — AI 和解金、演奏者への分配巡り「団体協約違反」

レーベルは生成 AI 各社と和解し、新たな収益源を手にした。だが、その和解の原資となった録音を演奏したセッション奏者に分配が下りていない——音楽家組合がそう主張し、団体協約違反で大手 2 社を訴えた。SunoUdio のライセンスで生まれた上澄みを「誰が取るか」が、司法の場に移る。

AFM(全米音楽家連盟)が6月5日、UMGなど大手レコード会社を連邦地裁に提訴した。WMGも被告に加わり、生成AIとの和解で得た収益がセッション奏者に分配されていないと主張している。

  • AFMは6月5日、UMGWMGを団体協約(雇用主と組合が結ぶ労働条件の取り決め)違反で連邦地裁に提訴
  • 両社はSunoUdioとの和解・ライセンスで新たな収益を得たが、原資の録音を演奏したセッション奏者への「新たな用途」対価(団体協約が定める、録音の新しい使い道に生じる追加払い)が未払いだとAFMは主張
  • AFMは学習対象録音の開示も求めたが、UMG・WMGはこの情報を提供していないという
  • UMGは団体交渉を通じて解決すべき問題だと反論し、AI時代のアーティストと作曲家の権利保護・利益促進の最前線に立ってきたと主張
  • 未和解のSony MusicはUMGと共に2026年5月、Sunoが無断学習したとする対象録音を6万曲超へ拡大申立。法定賠償は1曲最大15万ドルで、総額90億ドル超になりうる規模

編集部の視点

AIライセンス収益には、著作権とは別に団体協約の分配ルールがかかりうる。AFMは「新たな用途」への追加払いを求め、UMGは団体交渉で扱うべきだと反論した。学習対象録音が開示されなければ、奏者は自分の演奏から生じた収益かを確かめにくい。AI企業との許諾が成立しても、実演家への支払いまで解決したことにはならない。

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